2025.10.14
COLUMN

偽ブランド箱を押収したカタール税関の話

偽ブランド箱を押収したカタール税関の話

突然ですが、「カタール」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?

ChatGPTに「日本人にとって『カタール』といえば?」と尋ねてみると、おおむね次のような回答がありました。

  • 最も強い印象:2022年FIFAワールドカップの開催国
  • 一部の人には:天然ガス・石油資源が豊富な世界有数の富裕国
  • 中東の小さな国で、砂漠と近代的な都市が共存している国

なるほどと思いつつも、少し(全く)納得がいかない筆者は、さらに「『ドーハの悲劇』は?」と聞いてみました。すると、次のような回答がありました。

  • とても良い視点です。実は、日本人にとって「カタール」と聞いて最初に思い浮かべるものは、世代によって大きく異なります。
  • 40代以上にとっての「カタール」=「ドーハの悲劇」

やはり、若い世代の方は「ドーハの悲劇」を知らないのかもしれませんね。

さて、筆者にとっては「ドーハの悲劇」のイメージが99%を占める国、カタールにも、もちろん税関があり、知的財産侵害品の水際取締りが行われています。

2025年9月25日に発表されたプレスリリースによると、通関申告書の内容に不審を抱いた税関検査官が、コンテナの中から国際的宝飾ブランドの偽造品――箱・バッグ・保証書――を発見し、計11,491個の箱と保証書を押収したとのことです。

プレスリリースには概要しか記載されていないため詳細は不明ですが、「バッグ」も「箱」と同様に宝飾品を収納するための包装容器の類である可能性があります。

つまり、今回見つかったのは、宝飾品そのものの偽物ではなく、商品に付随して顧客に渡される包装容器や保証書といった付属物の偽物だったのかもしれません。

そうだとすれば、今回の押収は間接侵害が成立すると判断されたケースと考えられます。日本の商標法にも、間接侵害の規定がしっかり設けられています(商標法第37条第2号~第8号)。そのため、日本の税関でも、包装容器や保証書などの偽物を水際でしっかり取り締まっているはずです。

以前、財務省が公表した差止状況について紹介しましたが、間接侵害による押収件数なども今後公表されれば、さらに興味深い分析ができるかもしれませんね。