TOPICS 記事一覧

偽ブランド箱を押収したカタール税関の話
2025.10.14
COLUMN

偽ブランド箱を押収したカタール税関の話

突然ですが、「カタール」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか? ChatGPTに「日本人にとって『カタール』といえば?」と尋ねてみると、おおむね次のような回答がありました。 なるほどと思いつつも、少し(全く)納得がいかない筆者は、さらに「『ドーハの悲劇』は?」と聞いてみました。すると、次のような回答がありました。 やはり、若い世代の方は「ドーハの悲劇」を知らないのかもしれませんね。 さて、筆者に…
水際で積み上がった差止品の山 ― 特許第6552028号の技術
2025.10.07
COLUMN

水際で積み上がった差止品の山 ― 特許第6552028号の技術

 前々回、前回と2回にわたって、財務省から公表された資料に基づいて、「煙草及び喫煙用品」に関する特許を侵害する侵害品が少数回の手続で大量に輸入され、税関で差止めされていた可能性が浮かび上がりました。  また、税関ホームページを確認したところ、この特許権は、日本たばこ産業株式会社の特許第6552028号であるかもしれません(断言はできませんが)。  そこで今回は、この特許第6552028号の特許権の…
「税関における知的財産侵害物品の差止状況」を読む(その2)
2025.09.30
COLUMN

「税関における知的財産侵害物品の差止状況」を読む(その2)

 前回、財務省から公表された令和7年上半期における税関での知的財産侵害物品の差止状況を確認しました。  そこから推測できたのは、令和6年上半期には「数万~数十万点規模の知財侵害品(特許権侵害品)が含まれた一般貨物が1件から数件存在した」ということ、すなわち「大口案件」の存在でした。  今回は、この大口案件で発見された特許権侵害品が、具体的にどの特許権を侵害した可能性があるのかを考察します。  今回…
「税関における知的財産侵害物品の差止状況」を読む(その1)
2025.09.23
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「税関における知的財産侵害物品の差止状況」を読む(その1)

 2025年9月5日、財務省から令和7年上半期における税関での知的財産侵害物品の差止状況が公表されました。  発表によれば、 と、大きな傾向は変わっていないようです。  しかし、詳細な数字を見ていくと興味深い点が浮かび上がります。  まずは公表資料中の「知的財産侵害物品の輸入差止実績の推移」のグラフを見てみましょう。なお、本記事中のグラフはいずれも財務省ホームページから引用しています。  今回は上…
偽物対策。登録済の権利がなくてもできる方法(難易度高め)
2025.04.08
COLUMN

偽物対策。登録済の権利がなくてもできる方法(難易度高め)

 自社の商品にそっくりな偽物が出回っている──  しかも、商標や特許などの登録済みの権利は何もない。そんな状況で「どうしようもない…」とあきらめていませんか?  実は、商標権や特許権などの権利がなくても、一定の条件を満たせば、「不正競争防止法」という法律で偽物の輸入を止めることができる場合があります。  この記事では、できるだけ簡単に、不正競争防止法を使った偽物対策の基本的な考え方と実際の事例をご…
偽物サプリ撃退! 正規メーカーが取るべき対策
2025.03.18
COLUMN

偽物サプリ撃退! 正規メーカーが取るべき対策

偽物サプリメントの流通により、正規メーカーの売上が影響を受けるだけでなく、消費者の健康リスクも高まっています。特に、ビタミンやアスタキサンチンを配合したサプリメントは、通販市場での需要が高く、偽物が出回りやすい製品カテゴリーとなっています。偽物を購入した消費者からの問い合わせやクレーム対応に追われることで、正規メーカーの業務負担も増大しています。 この問題に対し、税関での輸入差止申立てが強力な解決…
偽物コスメ撲滅! 本物を販売するあなたができる対策
2025.03.11
COLUMN

偽物コスメ撲滅! 本物を販売するあなたができる対策

 化粧品市場では、模倣品の流通が増加し、正規ブランドの販売に悪影響を及ぼしています。本物と偽物の見分けが難しく、ネットでは評価やレビューを参考にしても、多くの消費者が誤って偽物を購入するケースが後を絶ちません。特に、パッケージが本物と酷似していても成分が異なる場合、使用後の肌トラブルにつながる可能性もあります。この場合、正規品のブランド価値も低下しかねません。  こうした被害を防ぐため、正規品の製…
特許の海外出願、PCTとパリルートどっちが得? 3カ国以上なら本当にPCTが有利なのか検証
2025.03.04
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特許の海外出願、PCTとパリルートどっちが得? 3カ国以上なら本当にPCTが有利なのか検証

「一般的に3カ国以上に出願するならパリルートよりPCTルートが安い」と聞いたことはありませんか? この定説は、多くの特許実務者の間で語られていますが、本当に正しいのでしょうか? 今回は、PCTルートとパリルートの費用を徹底比較し、その真偽を検証してみます。なお、PCTルートには費用面以外のメリットもありますが、本記事では費用面のみにスポットを当てます。 1. PCTルートとパリルートの費用構造 パ…
東京税関の技術公募に企業が応募する際のポイントと知財戦略
2025.02.26
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東京税関の技術公募に企業が応募する際のポイントと知財戦略

1. 東京税関が最先端の検査技術を募集! 東京税関が初めて、密輸対策のための最先端技術や機器のアイデアを広く募集するという画期的な試みを発表しました。私自身、東京税関OBの弁理士としてこのような公募が実施されることを非常に嬉しく思います。 一方で、今回が一度限りの試みなのか、今後も継続的に行われるのかは不透明であり、企業にとっては貴重なチャンスとなる可能性があります。 2. 東京税関が募集する技術…
「特許出願しろ」と言われたけど、どうする? 社内に相談できる部署も人もいない技術者が最初に知るべきこと
2025.02.20
COLUMN

「特許出願しろ」と言われたけど、どうする? 社内に相談できる部署も人もいない技術者が最初に知るべきこと

1. ある日突然、「特許出願しといて」と言われたら? あなたは日々、製品や技術の開発に取り組んでいる技術者かもしれません。ある日、そんなあなたに上司から突然の指示が飛んできます。 「いいじゃん、それ。特許出願しといて」 知財部もなく、社内に特許に詳しい人もいない。「え、特許出願ってどうやるの?」と戸惑う技術者も多いでしょう。 でも、大丈夫です。この記事では、社内に相談できる人がいない状況でも、特許…
特許証・登録証が電子化!メリットと再交付のポイント
2025.02.11
COLUMN

特許証・登録証が電子化!メリットと再交付のポイント

企業や特許事務所の担当者にとって、特許証や登録証の管理は煩雑な業務の一つです。2024年4月1日より、これらの証書が電子ファイル(PDFファイル)で交付されることになり、管理や手続きが大きく変化しました。本記事では、電子化のメリットや従来との違い、再発行手続きについて詳しく解説します。 従来の紙のメリットとデメリット 紙で発行される特許証や登録証には、以下のような特徴がありました。 メリット デメ…
輸入差止申立ての事例(意匠権)
2025.02.11
COLUMN

輸入差止申立ての事例(意匠権)

知的財産侵害物品の輸入を水際で止めるためには、税関に対する輸入差止申立てが有効です。今回はどのような権利が輸入差止申立てに活用されているのか、具体例を見ていきたいと思います。 税関HPで公開されている最新情報 税関の公式サイトには、輸入差止申立てが受理されている知的財産権が公表されています。公式サイトの中の「知的財産侵害物品の取締り」のトップページには、新着情報として最近受理された輸入差止申立てが…
輸入差止申立てに必要な書類
2025.02.07
COLUMN

輸入差止申立てに必要な書類

企業にとって、自社の知的財産を侵害するニセモノ(侵害品)の流入を防ぐための輸入差止申立ては、ブランドを守るための重要な手続きです。しかし、どのような書類を準備すれば良いのか、分かりにくい部分も多いのではないでしょうか。この記事では、輸入差止申立てに必要な書類と作成時のポイントについて解説します。 主な書類は3つ 輸入差止申立てに必要な書類のうち、申立人が作成する必要があるメインの書類は以下の3つで…