あなたは日々、製品や技術の開発に取り組んでいる技術者かもしれません。
ある日、そんなあなたに上司から突然の指示が飛んできます。
「いいじゃん、それ。特許出願しといて」
知財部もなく、社内に特許に詳しい人もいない。
「え、特許出願ってどうやるの?」と戸惑う技術者も多いでしょう。
でも、大丈夫です。
この記事では、社内に相談できる人がいない状況でも、特許出願を進めるために最初に知っておくべきことを解説します。
特許出願とは?
特許出願とは、「自社の新しい技術を法律で保護し、競合に真似されないようにすること」を目的とした手続きです。
特許を取得できれば、一定期間その技術を独占的に使うことができます。
ただし、特許は「とりあえず出願すればOK」ではありません。
特許の書き方次第で、その価値が大きく変わります。
とりあえず出願すると、こんな失敗が…
よくあるミスとして、「せっかく特許を取ったのに、競合が簡単に回避できてしまう」というケースがあります。
たとえば、あなたが「新しい素材を使って軽くて丈夫なカバン」を開発したとします。
そして、次のような特許を出願しました。
❌ [NG例:権利範囲が狭すぎる]
「ナイロンとカーボン繊維を組み合わせたカバン」
この場合、競合が「ナイロンとグラスファイバー」を使ってカバンを作れば特許を回避できます。
つまり、「特許を取ったのに意味がない」ということになります。
それは、「発明の本質を正しく捉え、それを広くカバーする請求項を書くこと」です。
発明の本質とは?
発明の本質とは、その技術の「一番重要なポイント」のことです。
たとえば、先ほどのカバンの例なら、
この「本質」を正しく捉えたうえで、次のように請求項を書けば、競合に回避されにくくなります。
⭕ [OK例:権利範囲が広い]
「軽量かつ高強度な繊維材料を使用したカバン」
このように、技術の本質を広くカバーすることで、競合がちょっとした工夫で回避するのを防げます。
(※わかりやすさ優先の例であり、知財専門家からのツッコミはご遠慮ください!)
特許出願を進めるには、次の3つのステップを意識しましょう。
① 発明の内容を整理する
まずは「この発明の一番大事なポイント」を明確にします。
② 権利範囲を意識する(請求項の作成)
権利範囲が狭すぎると、せっかく特許を取っても意味がなくなってしまいます。
③ 自社で出願するか、専門家に相談するかを決める
社内に知財の専門家がいない場合、「特許を取ったのに役に立たない」という失敗を避けるためにも、専門家に相談するのが無難です。
もし「自力で出願できるか不安…」「請求項の書き方に自信がない…」という場合は、特許事務所に相談するのも一つの手です。
当事務所では、初めての特許出願のご相談も受け付けています!
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